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Japan tour report

UDO Music Festival 大阪 泉大津フェニックス 2006・7・22

この野外フェスに行こうかどうしようか長い間迷っていました。
まずチケット代。見たくもないバンドを見せられた上に代金も高いというのは納得できない。
そして天候。先にチケットを買っておいて当日が雨ならどうしようもない。

降りしきる雨の中、合羽を着てコンサートを観るのは辛い。
野外フェスティバルは初参加なのでどんなものか見当もつかない。観客の数は?どんな状況で観れるの?
雑誌の「初心者のための野外フェス講座」を読んでみると、

持ち物はリュックサック・ナップサックが両手が使えて動きやすい(なるほど)
周りの観客のじゃまにならないように、雨具・傘より雨合羽のほうがいい。(そりゃそうだ)

日よけ用に帽子、タオル、飲料水は必需品。(熱中症で死ぬワケにはいかない)

KISSが見たいだけなのに、かなりの重装備が必要みたい。

KISSのファン友達から「もちろん大阪は地元だし行きますよね」などと言われます。

確かに大阪在住だけど大阪の全てを知ってるわけではないし、特に南部方面は全くと言っていいほど知らない。

泉大津でコンサートと聞いたときも「大津だからびわ湖の近くかな」と思ったくらい。

地図で場所を確認したら割と近い。高速道路を使って1時間弱くらい。

もし行くのなら車にしようと決めました。


コンサートのタイムテーブルが発表されました。

トリのKISSは6時15分頃からで100分間。
さて何時頃から行こうか・・・・セバスチャン・バックは観たいな。でも12時からとは早いな。
次のセクシー軍団、プシキャットドールズは絶対観たい!でも真昼間は暑いやろな~。どうしよぅ・・・
実はコンサートの2週間前にお中元で瓶ビール1ケースが会社に届けられました。
「これ、むこうまで持っていってもらえませんか」若い女子社員にええかっこを見せようとビールケースを持ったとたん
「グキ!」腰に痛みが走りました。痛みをこらえて運んだのですが痛みはひかない。
それ以来ちょっと腰を屈めたりしたら痛みが走る。長時間のコンサートに耐えられるか?

2006年7月。梅雨前線は日本上空に停滞して毎日のように雨が続いていました。

KISSの日本初野外コンサート「ウドーミュージックフェスティバル」が行われる22日は、

前日まで降っていた雨も止み太陽までも顔を見せてくれました。
翌日はまた雨だったのでKISSが奇跡を起こしたとしか考えられません。


 

朝目覚めると昨日まで降り続いた雨が止んでいました。目が覚めてからず~とソワソワ気分。

子供がコンビニに行くというので、いっしょについて行くと、冷凍されたミネラルウォーターが売っていました。

これは使えるかも?その後このミネラルウォーターが活躍してくれました。

 

居ても立っても居られず10時半頃には家を飛び出しました。
高速道路で1時間弱だから昼前には着くはず。それから昼ごはん食べてからゆっくり観ようっと~。

しかし思うようにはいかないもので、高速に上がると「緊急工事で渋滞」の表示が。

緊急ってなによ。そんなに急いでしないといけない工事なの?
停まりはしないがとろとろ運転。カーステレオからは流れるのはKISS。KISSがあれば渋滞も気にならない。
横は若いカップルを乗せた黄色いコンバーチブル。若いクセにいい車に乗ってるな。金持ちのボンボンか~。

いい車にいい女。ちょっと嫉妬。
工事区間を過ぎたらスムースに走り出しました。コンバーチブルはスピードをあげ、あっと言う間に黄色い点になってしまいました。
湾岸線に入り防音壁の隙間から見える海が心地よい。このまま会場まで一直線。

ところが「緊急工事 渋滞××キロ」おい!またかよ。渋滞距離がさっきより長い。そのうえ停滞してしまった。まったく走れない。
チョロっと走っては停まるの繰り返し。KISSの曲を聴いてもイライラが収まらない。
KISSまではまだまだ時間があるので気持ちを落ち着けよう。イライラと辛抱を繰り返してやっと渋滞を脱出できました。


高速を降りると片側5車線の広い道路が延びていました。

初めての道なので慎重に運転していたら「フェニックス基地」という標識が目に入いりました。
基地という文字を見てなぜかサンダーバードを思い出しました。この地下には世界救助隊の基地があるに違いない、なんてね。

本当はコンテナの基地なんでしょうね。
その標識の通り右折専用車線に入ると、前に1台の車が信号待ちしてました。きっとこの車のフェスに行くんだろうな。
私の後ろにもたくさんの車が右折しようとしているはず・・・ん?後続車がいない。真昼間から来る人は少ないのか。
右折するといかにも埋立地という広大な空き地にコンテナや工業資材が積み上げられていました。
こんな所で野外フェスティバルをするのか、と思いながら1分も走ればウドーのスタッフらしき人の姿が見えました。
スタッフに誘導され駐車場へ。2日前に買ったパーキングチケットを渡し駐車場へ入りました。
駐車場と言っても空き地を塀で囲った簡単なもの。もちろんアスファルトじゃなく地道。

昨日までの雨のせいで所々ぬかるんでます。
大きさとしてはたぶん南港インテックス大阪の臨時駐車場のほうが広いかもしれない。
見取り図ではコンサート会場より駐車場のほうが広いのですが、そうは見えませんでした。

渋滞のせいで予想到着時間より40分以上遅く着きました。
駐車場から道路を挟んだ向こう側にコンサート会場があり大音響が聞こえてきました。
駐車場から会場に向かう間に「チケットあるで~」「チケット買うで~」と声をかけてくる兄ちゃんが何人もいました。
こんなところにもダフ屋が出没するなんて、商売熱心さに感心してしまいますね。

塀に囲まれた会場に入ると一面芝生の大広場なんですが、想像してたよりかなり小さい。

UDOさんは大人数の観客を見込んでいるとは思えません。
入ってすぐ右側には大小合わせて80個くらいの簡易トイレが設置されていました。
左側には2~30の出店がずらりと並んでいた。お好み焼き、たこ焼き、フランクフルトにビール。
いろんな物が売られていて、なにを食べるか選ぶのに苦労するくらい。まるでお祭りみたいです。(フェスティバルですからね)
その中から広島焼きを選びました。ボリュームがあり腹持ちしそうだし500円は妥当な値段。
そしてお茶を買いました。通常150円のペットボトルが300円。ぼったくり。ショバ代も入ってるのかな。
フロンティアステージの後ろの芝生にレジャーシートを広げて広島焼きをほうばる。
ステージではポールが楽曲を提供したこともあるクリックファイブが出ていました。正統派ロックという感じ。
青空の下で芝生に腰掛けてロックを聴くのも悪くないですね。

飲食の出店から少し離れたところにウドーとHMVのブースがありました。
HMVでは出演しているアーティストのCDやDVDを販売しています。
野外フェステバルだからか、HMVロゴ入り簡易イス、傘、合羽などが売られていました。

商売熱心でしが今日は雨の心配はなさそうです。
UDOのブースにはこのフェステバルや出演者のTシャツやグッズが売られていました。
KISSも名古屋で売られていたTシャツ3種類がここでも売られていたのですが、
名古屋では4500円で売られていたのに、ここでは3500円で売られていました。なぜ?
名古屋では高くて2枚しか買えなかったので、ここで残りの1枚をゲットできました。
1000円安く買って得したのか、名古屋で2枚買って損したのか、複雑な心境。
ファンとしては、ここでしか買えないと思うから多少高くても買ってしまう。
そんなファンの足元を見て高値で売るとは・・・ウドーさんもおいしい商売しますね。


腹ごしらえもトイレも済ましグッズも買った。さあコンサートに集中しよう。
入り口の向かい側にフロンティアステージがあります。ここは若手用のステージ。
会場の左奥にはメインとなるリバティステージが設営されています。フロンティアステージより大きい。
会場そのものが小さいため、フロンティアステージとリバティステージの間が狭い。歩いても30秒もかからない。

リバティステージに目を向けるとセバスチャン・バックが絶唱していた。
昼間ということもあり、500人くらいの観客がいた。こんな時間にセバスチャンが出るなんてもったいない気もする。
その観客の後方に入り込む。昨日までの雨とずっと人が立ち続けているのとで、芝生はぬかるんでいました。
芝生のはげている所は水が溜まっていました。
セバスチャン・バックは相変わらずのパワフルボイスで、聴いてても気持ちがいい。
自慢のロングヘアーでヘッドバッキングし、ステージ狭しと駆け回る。
彼が歌いだそうとすると、フロンティアステージからの演奏が聞こえてきました。
「FACK YOU!」大声で叫んだ。その音が気に障ったようです。それほど2つのステージは近い。
出番を待っていたプシキャットドールスの1人をステージに引っ張り出してみたり、
下から心配そうに見上げているスタッフをよそに、ステージ隅に積み上げられているスピーカーによじ登ったりしている。
ヤンチャ坊主ぶりは健在だ。今回のナイスパフォーマンス賞は彼にあげよう。

セバスチャンのステージが終わったあと、通常はセットや楽器をすべて入れ替えするのですが、ステージ上はなにも出ていない。

ただイスが4脚置かれているだけ。
するとおヘソを出したかわいい女の子たちが現れた。プシィキャットドールスだ。
骨太ロックの好きな観客は「だめだ、こりゃ~」と退散していった。
私はオネエちゃん大好きなので、少なくなった人を掻き分けて前へ進んで行きました。
10列目くらいで人がいっぱいになり、そこで見ることにしました。
遠目では山田優似の東洋人ぽい子がリードヴォーカルのようです。
誰に教えてもらったのか「メチャヤバ~イ」を連発していました。
これを言えば盛り上がるぞって教えられたんでしょうね。確かに少しは盛り上がってたようです。
音楽はどうってことのないヒップホップだが、メンバーは腰をくねってセクシーさをアピールしている。
ダイナマイトボディの子がいたら、もっと楽しいステージになったのに。

アリス・イン・チェインズは名前だけ知っている程度のバンドです。

メンバーが出てきたらしい。ファンが騒いでいる。
そんな中、マイクを調整しているスタッフがいる。真っ黒なTシャツに真っ黒のジーンズ。
バンドが演奏を始めるとそのスタッフが歌いだした!スタッフではなくバンドのヴォーカリストだったのです。
なんと華のないヴォーカリストだろう。歌も上手いとは言い難い。
曲も暗いものが多く、これをオルナタとかグランジとか言うのだろうか。
彼らがステージに上がってる間中、お香のようなものが焚かれ、独特な香りが流れていました。
音楽で酔わすことができないから香りで酔わすつもりなのか。
ギタリストがスタッフに自分の耳を指差してなにか言いたげな様子。
イヤホンの調子が悪いようだ。ついにはイヤホンを外してスタッフに投げつけた。
それでも怒りは治まらないのか、マイクスタンドを蹴り倒した。
プロレスラーのブルー・ザ・ブロディそっくりのスタッフがあわててステージに飛び出しマイクスタンドを立て直していました。
大きな体が背中を丸めてトコトコ走る姿はユーモラスです。
曲が終わってギターチェンジする時もスタッフが替わりのギターを持ってくるまで待たずに、
ギターを投げつけんばかりにボウリングみたいに床に滑らせていました。
こんなシーンが2~3曲続いた。これは彼のパフォーマンスなのかと思ってしまう。

アリス・イン・チェインズのあとのセットチェンジで、KISSロゴ入り巨大カーテンが早々と取り付けられました。
うぉ~!もうすぐだ。待ったぜ!KISS!逸(はや)る気持ちを必死で抑えた。

でも続いて登場したのは昨年Queenと共に来日したポール・ロジャースです。
先にステージに現れたバックバンドは今までの連中とは違い、ちょっと渋いオヤジ達。今流行りのちょいワルおやじって感じ。
演奏が始まりポールが登場した。引き締まった体にタンクトップとジーンズがよく似合う。
英国紳士らしいおだやかな笑顔が印象的です。

休憩の合間をぬってメインのステージの最前列へ陣取りました。
セバスチャン・バック、プシーキャット・ドール、アリス・イン・チェイン、ポール・ロジャース、計7時間を立ちっぱなし。

でも知ってる曲は1つもありませんでした。

自分の中ではそれなりに楽しんでいるのですが、気持ちが盛り上がってない。

でもこれから最高に盛り上がれる。もう少しだ・・・

他の人はサブステージに行ったり、芝生で休んでたりしていましたが、
1人で来ている私は最前列を離れたらもう場所が無くなると思い、がんばって立ち続けました。
しかしポール・ロジャースあたりから腰が痛くなり、KISSまでもつだろうかと少し心配。

ポール・ロジャースが終わったあと、KISS用にセットチェンジされるんですが、作業をしているスタッフの数は50人以上。
さっきまでは10人くらいでセットチェンジしてたのにKISSのセットの巨大さが判ります。
この時不思議なことに、KISSロゴ入り巨大カーテンが取り外されました。風があったから?

日も暮れかけてきた6時45分KISSの登場です。
サブステージも終わって会場全員がKISSのステージに集まってきます。
足の踏み場も無いくらいギッシリで、もう満員電車状態。
いつものMCもなくKISSのメンバーは普通に歩いての登場。
ポールの「オオサカ!好っきやねん!」で会場はヒートアップ!
「Detroit Rock City」のオープニングから花火炸裂。DVDで観たアメリカのコンサートみたいや~!
「ラブガン」でもドラムの「ダダダダ」に合わせて花火があっちこっちで炸裂。

曲の終わりにはステージの上にもロケット花火が何発の打ち上げられました。
花火って凄い音がするんですね。興奮の絶頂です。

コンサートの半ばで「ヘブンズ・オン・ファイヤー」をやったんですが、
ポールが曲の出だしが判らず、いつまでたっても歌わないんです。
ジーンが人差し指を振って「もう一回」ってゼスチュアし曲が中断してしまいました。
するとポールが「スーパーヒーローでもスーパーマンでもないいんだ。ただの人間なんだから」って失敗を言い訳してました。
でもそれがなんだかとっても素直でかわいかった。

ポールもジーンもよく動いてました。
私はポール側にいたんですが、ジーンも何度来てくれました。
名古屋はなんだったんだろ?って思いましたね。

前半のラスト「Let Me Go, Rock & Roll」でドラムセットが上昇し、エリックが立ち上がり右手を伸ばすと花火がドーン!
左手を伸ばすと花火がドーン!両手を上に上げると花火がドーン!息を呑むっていうのはこんな状態を言うんでしょうね。
そしてアンコールのラストはもちろん「ロックンロールオールナイト」
残ってる花火を全部使ったんちゃうかってほどの花火の嵐!
紙ふぶきは風のせいで全部ステージに向かい、私達のほうには全然きませんでした。あ~、紙ふぶきの中に入りたかった。
ポールのギター壊しの時もギターを叩きつけるリズムにあわせて花火も大噴火!
空を見上げればそこにも何発もの花火が。
お~、ここは日本か。こんなに花火を使ってもいいのか?
そう言えばコンサートの前、セットを組み立てているとき、消防署関係の人が場違いの服装で点検していたな。
帰りにその人たちとすれ違ったんですが、耳を押さえていました。
こんな大音響のコンサートなんか来た事無いんでしょうね。


私と言えばコンサートの始めで腰が限界に来ていて立っているのがやっとの状態でした。
そしてコンサートの中程で足が痺れてきてもうダメかなと思いました。
アンコールの時ポールが「みんな家に帰りたいか~?」って叫んでました。
「NO!」と私も叫びましたが、本音は早く帰りたかった、と言うより座って観たかった。
コンサートが終わって出口に向かう途中で、たまらず座り込んでしまいました。
近くを歩いていた人が「この人大丈夫?」みたいな目でみてたな。やっぱりもうトシなんですかね。

やっとのことで駐車場までたどり着き、ナップサックから2リットルのミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、

一気に半分まで飲み干した。
コンサートの合間にペットボトルを飲みたかったのですが、

下がドロドログチュグ゙チュ状態でナップサックを降ろすことができなかったのです。
一息ついて「さて帰るか」と言っても何百台の車が出口に向かってるワケで、渋滞の列がいくつも出来ていました。
スタッフさんが手際よく車を誘導してくれたおかげで、以外にスムーズに進みストレスなく出口を通過できました。
この泉佐野フェニックスは埋立地で周りになにもないせいもあるけど、出口を出てもスムーズに走れました。
高速に上がっても、行きの時のような工事もなく順調に帰ることができました。
「そう言えば晩ごはん食べてないな」異常な興奮と疲労で食欲が飛んでいました。
近くのコンビニに寄り、夜食を買って帰宅。
今日の余韻を楽しみながらおにぎりをほうばる。

足ガクガクで死にそうなコンサートでしたが、やっぱりKISSはサイコー!
思い切って観にいってよかった。

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